Abstract
日本語学習者にとって漢字とかなを含む日本語の文字習得は、時間がかかる上に難しいことはよく知られている。特に非漢字圏の初級日本語学習者の漢字習得に関する研究では、これまで多くの研究が行なわれてきたが、漢字指導の分野で「学習者中心」の視点からなされた研究や実践研究レポートは少ない。また、漢字学習の成果を測定するための評価法の研究分野においても学習者中心でなされた漢字学習の成果を測定するための評価法に言及した研究は見当たらない。
漢字学習は基本的には個別学習である。これは日本語教師の漢字指導に関する調査(Shimizu &Green 2002)で漢字指導の実践現場において「機械的学習」による漢字の丸暗記が一番多く使われ、学習者が一番良く使うストラテジーも漢字を繰り返して書く「書写」だった(Okita 1995)ことからも分かる。
本発表では、非漢字圏の初級学習者への漢字指導における「漢字ポートフォリオ」の導入と「学習プロセス」の代替的評価法を中心とする実践報告を行い、多様化・拡大化の傾向にある英国の大学において、学習者を中心とする漢字指導の可能性を探る。実践例として、漢字ポートフォリオ導入のためのコースデザインを示し、学習者の「振り返り」及び自主学習を記録する「ログ」を事例データとして取り上げる。これにより、従来の教室活動では見えなかった学習者の漢字学習過程や自己評価や問題意識などの内省する学習活動を分析し、ポートフォリオ評価の有効性を検討する。
Original language | English |
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Publication status | Published - 3 Sept 2010 |
Event | 13th BATJ conference - University of Reading, Reading, United Kingdom Duration: 3 Sept 2010 → 4 Sept 2010 http://www.batj.org.uk/en/conference.html |
Conference
Conference | 13th BATJ conference |
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Country/Territory | United Kingdom |
City | Reading |
Period | 3/09/10 → 4/09/10 |
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